病院長あいさつ

院長写真
二戸病院長:小笠原 敏浩

当院は、岩手県のてっぺんに位置するカシオペア連邦(二戸市・一戸町・軽米町・九戸村)に属する二戸市にある基幹病院です。

二戸市には東北最大級100万匹のヒメボタルが幻想的に舞う折爪岳や、日本一の大きさの夫婦岩と言われる男神岩・女神岩がそびえ立つ馬仙峡、山の恵みが豊富で中腹には岩誦坊と呼ばれる湧き水が流れる稲庭岳、豊臣秀吉天下統一の総仕上げで戦った九戸政実の居城・九戸城跡、開山から約1,300年の東北の名刹・八葉山天台寺、出会った人には幸福が訪れるとされる座敷わらし伝説が残る金田一温泉など、自然・歴史・文化に恵まれた地域です。

当院の理念「地域に愛され 地域と共に」を実現するために7つの基本方針を掲げました。当院の行動指針P H S  Professional(専門性を活かす)・Hospitality(おもてなしの精神)・Sustainability(持続可能な組織)に従い、対象人口9万人の広大な医療圏で地域に愛される地域完結型医療を目指します。また、地域と連携して患者中心性医療を提供するために地域医療福祉連携室を設置しております。

地域医療福祉連携室は地域に開かれた窓口であり、医療・福祉施設からの紹介患者の受け入れ、入院患者の退院調整、地域医療連携パス、患者相談、他機関との情報共有、定期的な地域連携連絡会議の開催による情報提供と意見交換などを行う場所です。この様な地域医療福祉連携は、患者さん本位のサービスが提供できる場所とも言えます。

少子高齢化・人口減少が進む当地域で、地域医療福祉連携室は、地域医療構想、二次医療圏の資源、自治体(市町村)が重要視する政策、患者さんの多様なニーズ、情報過多、情報インフラの多様性、ステークホルダーの要望、交通インフラの変化などの様々な背景を的確に捉えることが重要と考えています。そこで、県立二戸病院の地域医療連携の新たな課題を探り、さらに隣接二次医療圏との連携を強化し、もっと拡大することのできる医療ニーズを獲得することを目指します。

さらに働きがいのある職場で地域に愛される職員・臨床研修医を育成するために教育・研修を充実します。医療の実践者としての人格・品位・倫理観・ホスピタリティを涵養し、基本的知識・技術を身につけ、節度ある職業人として世のため、病める人のために尽くす医療人を養成してまいります。

患者-医療者連携においても医療者へは基本である笑顔・まなざし・ことばを大切にし、一歩踏み込んだコミュニケーションができる教育をおこないたいと思っています。このホスピタリティ精神が浸透できれば、次のステップとして患者さんと医療者が協働できる病院づくりが実現可能です。皆さんも当院の仲間として一緒に理想的な作りをしませんか。

令和4年4月
岩手県立二戸病院長
小笠原 敏浩